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西 宏; 榎枝 幹男; 横堀 壽光*
日本材料強度学会誌, 46(3), p.49 - 57, 2013/04
強圧延された粉末冶金モリブデンの低サイクル疲労強度に及ぼす試験温度とひずみ波形の影響を明らかにするため、室温から1223Kで低サイクル疲労試験を行い、低サイクル疲労特性を明らかにし、以下の結論を得た。(1)圧延材は低サイクル疲労試験中に動的回復・再結晶を起こし繰返し軟化するが、再結晶材では軟化は起こらない。繰返し軟化の見かけの活性化エネルギーは格子拡散の活性化エネルギーに比べ小さく、繰返し変形により拡散の活性化エネルギーは低下する。これは塑性変形に伴う転位の運動によって拡散が促進される現象と考えられる。(2)圧延材の低サイクル疲労寿命は573Kから1073Kでほぼ等しく、静的再結晶温度の1223Kでは疲労寿命はこれに比べ増加する。圧延材では1073K以下の温度で繰返し軟化するためひずみが局所的に集中する。しかし再結晶する材料では、ひずみ集中が起こらず疲労寿命が増加する。(3)ひずみ波形の影響については、非対称三角波の疲労寿命は対称三角波に比べ減少する。これはひずみの局所集中が対称波に比べ大きいためと考えられる。
加治 芳行; 菊地 賢司
日本材料強度学会誌, 30(2), p.59 - 73, 1996/00
高温クリープ条件下で使用される高温機器において、供用中に発見されるき裂について伝播特性をあらかじめ把握し、引き続く高温荷重に対する余寿命を推定する手法を明らかにすることは実用上重要である。本論文では、Fe基耐熱合金のAlloy800を用いて、種々の温度・応力条件下でのクリープき裂伝播試験を行い、Qパラメータを求めき裂伝播速度を評価した。また超高温延性材料であるAlloy800とNi基耐熱合金のハステロイXRに対して、同一のQパラメータ及びクリープ積分Cパラメータによってき裂伝播速度を比較評価した。さらにQパラメータによって表されるパラメータによって、両材料のクリープ破断寿命を比較評価し、このパラメータによって、材料による特性の相違や試験片の形状効果等を評価できることを明らかにした。
菊地 賢司; 横堀 寿光*; 二川 正敏; 武藤 康; 横堀 武夫*
日本材料強度学会誌, 21(2), p.69 - 86, 1986/00
高温ガス炉に使用されるハステロイ-XRの1073Kにおける高温クリープ・疲労重畳特性を、応力上昇時間と応力保持時間を系統的に変化させて求めた。その結果次の結論を得た。1/Ti特性は、Trによらず高温疲労の場合にほぼ一定値を示したことより、き裂発生は負荷荷重の積分面積に律速される時間依存性機構に従う。さらにこのとき、高温クリープ・疲労条件における応力繰り返し時間はクリープ損傷に対する休止効果としての意味を持つ。1/Tp特性は、Tr≧6sの高温疲労では一定値を示し、時間依存型であったが、Tr=1sでは繰り返し数依存型になっており、かつ保持時間の増加に伴い、クループと疲労の相互作用があることを示した。ここに、Tr:応力上昇時間、Ti:き裂発生時間、Tp:き裂伝播時間である。
菊地 賢司; 大熊 嗣男*; 佐野川 好母; 井川 博雅
日本材料強度学会誌, 18(2-3), p.57 - 70, 1984/00
VHTR炉心の黒鉛支持ポストは、炭素、黒鉛、鋼製部材間の相対熱膨張差や水平地震力による相対変位を吸収するため、その両端が球面接触構造になっている。本報は、炉心支持ポストの圧縮強さに及ぼす細長比、傾き角、球面座半径の影響を実験的に調べ、破壊に及ぼす因子を検討したものである。